アルテガの代表の平尾です。
CMSで自社サイトを構築したいと考えたとき、「何を基準に選べばいいのか」「費用はどのくらいかかるのか」「誰に依頼すれば成功するのか」など、具体的な判断に迷う方は多いのではないでしょうか。
本記事では、既製テーマに頼らず、オリジナルでCMSサイトを構築したい企業担当者のために、費用相場や技術選定のポイント、信頼できる制作パートナーの選び方、運用開始後の管理体制までを徹底解説します。
単なるツールの紹介にとどまらず、中長期的にビジネスに貢献するCMSの導入方法を、実践的な視点から掘り下げていきます。
他では語られにくい“つまずきやすいポイント”にも触れていますので、制作前・発注前に知ることで、プロジェクト全体を見通しながら判断できる視座が得られるはずです。
オリジナルでCMSサイトを構築するメリット
オリジナルでCMSサイトを構築する最大のメリットは、サイトのデザインや機能を完全に自由設計できる点です。
既製のテンプレートでは表現しきれない自社ブランドに合ったデザインや独自の機能を盛り込むことで、競合他社との差別化につながります。
また、ゼロから構築することでサイトの構造を自在に設計できるため、将来の拡張やカスタマイズも見据えた柔軟な運用が可能となります。
ちなみに弊社ではすべてをこのようなオートクチュールのCMSで構築しており、WordPressでの実装が大半を占めます。
ブランディングを目的にするのであれば、オリジナルでCMSサイトを構築すること一択でしょう。
既製テーマでは得られないオリジナル構築の価値
オリジナルのCMSサイトであれば、ブランドの世界観を表現できます。
既製のWordPressテーマでは制約のあるデザインや機能も、オリジナル構築なら妥協なく機能を与えることができ、目的に応じたデザインと設計にすることができます。
自社ブランドのイメージを余すことなく反映できるため、訪問者に強い印象と信頼感を与えられます。
他社サイトと似てしまう心配もなく、独自のレイアウトや演出によって他サイトとの差別化も可能です。
また、事業内容に合わせて必要な機能をゼロから組み込めるので、既製テーマでは対応しづらい特殊な要件にも柔軟に応えられます。こうしたオリジナル構築の価値は、見た目の美しさだけでなくユーザー体験(UX)の向上にもつながります。
さらに、不要なコードや機能がない分、サイト表示速度やSEOの面でも有利になるでしょう。
中長期運用を見据えたカスタマイズ性・拡張性の重要性
Webサイトは公開して終わりではなく、長期的に運用しながら内容や機能を発展させていくものです。オリジナルでCMSサイトを構築しておけば、将来新規コンテンツを追加したり機能を拡張したりする際にも柔軟に対応できます。
例えば事業拡大に伴ってページを増やしたり、多言語対応や会員機能を後から実装する場合でも、拡張性を考慮して設計してあれば大きな改修をせずに済みます。既製テーマではテーマの制約で大幅な変更が難しかったり、プラグインに依存しすぎて複雑化しがちですが、オリジナル構築なら自由に手を加えられるので、中長期運用の安心感が違います。
長く使えるサイトにするためにも、カスタマイズ性と拡張性を重視することが重要です。
WordPressテーマのカスタマイズ方法とオリジナルデザインの実現
WordPressテーマのカスタマイズ方法には、既存テーマを活用する方法とオリジナルテーマを開発する方法の2通りがあります。
既存テーマを活用する場合は、子テーマを作成してCSSやテンプレートを上書きすることで、比較的手軽に独自デザインに仕上げることが可能です。ただし、テーマの仕様範囲内での変更となるため、実現できるデザインには限界があります。
一方、ゼロからオリジナルテーマを自作するにはPHPやHTML/CSSの知識が必要ですが、サイトの細部まで自由に設計できます。
デザインカンプを元にオリジナルテーマをコーディングすれば、自社だけの独自デザインを持つWordPressサイトを構築することも可能です。
企業サイトに最適なCMSは?おすすめCMSと選定ポイント
WordPressを採用するメリットと注意点
WordPressは企業サイトでの採用例が非常に多い人気CMSです。
管理画面が直感的で担当者自身による更新・運用がしやすく、テーマやプラグインが豊富なため低コストで必要な機能を追加できます。
国内外でユーザーコミュニティが充実しており、情報が得やすい点も安心材料です。
一方で利用者が多い分サイバー攻撃の標的になりやすく、セキュリティ対策や定期的なアップデート対応が欠かせません。
弊社では一年に一度の定期メンテナンスを推奨してます。
車で言うところの“車検”だと思っていただけると良いかと思います。
ヘッドレスCMSのメリットと実例
ヘッドレスCMSとは、コンテンツ管理に特化し、フロントエンド(サイト表示部分)を持たずにAPI経由でデータ提供するCMSです。
主なメリットとして、1つのCMSで入力したコンテンツをWebサイトだけでなくスマホアプリなど他のプラットフォームにも容易に展開できる点が挙げられます。
さらにフロントエンドの技術選択が自由なため、Reactなどの最新技術でリッチなUIを構築しやすく、表示速度の高速化にもつながります。
その他のCMS選択肢と選定時の考慮点
WordPressやヘッドレスCMS以外にも、企業サイトで利用されるCMSはいくつか存在します。
例えば、国産のCMS(Movable Typeなど)やノーコードのStudioやWIXも最近では小規模の案件で選択肢にあがります。
CMSを選定する際は、自社サイトの目的や担当者のスキルに合った使い勝手、導入やライセンスにかかるコスト、サポート体制などを総合的に考慮することが重要です。
CMSサイト制作にかかる費用と料金相場
CMSサイト制作の主な費用内訳(デザイン・開発・保守など)
CMSサイト制作の費用は、大きく「初期制作費」と「運用費」に分かれます。
初期制作では、サイトデザイン費、CMS構築や機能開発費、コンテンツ(文章・画像)制作および入力費などが主な内訳です。
また、制作会社に依頼する場合はディレクション(進行管理)の費用も含まれます。
公開後には、サーバー・ドメイン維持費、CMSやプラグインの更新に伴う保守管理費用など、継続的な運用コストが発生します。
WordPressサイト制作の料金目安
WordPressサイト制作の料金は、サイト規模や機能の要件によって大きく異なりますが、おおよその目安を以下に示します。
サイト規模 | 料金目安 |
---|---|
小規模(〜5ページ) | 10〜50万円程度 |
中規模(〜30ページ) | 50〜150万円程度 |
大規模(50ページ以上) | 150万円以上 |
ヘッドレスCMS導入で発生する費用例
ヘッドレスCMSを導入する場合、通常のCMSサイト制作費以外にいくつか追加コストが発生します。例えば、ContentfulやmicroCMSなどのヘッドレスCMSサービスを利用すると、プランに応じた月額利用料がかかります。
また、ヘッドレスCMSと連携するフロントエンド(Webサイト側)の開発にも費用が必要なため、一般的に初期構築コストはWordPress単体の場合より高めです。
制作費用を抑えるためのポイント
CMSサイト制作の費用を抑えるには、いくつかのポイントがあります。
- 要件の取捨選択:すべての機能を一度に盛り込まず、本当に必要な機能に優先順位をつけましょう。
不要な要件を削減することで、開発コストの抑制につながります。 - 既存リソースの活用:ゼロから開発せず、既存のテーマやプラグインを活用するのも手です。既存テンプレートをベースにカスタマイズすれば、開発時間と費用を抑えて必要な機能を実装できます。
- コンテンツ自社対応:サイトに掲載する文章や画像素材は可能な範囲で自社で用意しましょう。
外注すると費用が嵩むため、自社対応できる部分は行うことでコストダウンにつながります。
CMSサイト制作の依頼方法と制作フロー
要件定義とサイト目標の明確化
CMSサイト制作の第一歩は、サイトの目的と必要な要件を明確にすることです。まずは「何のためのサイトか」「誰に情報を届けたいか」を整理し、ゴールを設定します。
その上で、掲載するコンテンツの種類やページ構成、必要な機能(ブログ機能、問い合わせフォーム、多言語対応など)を洗い出しましょう。
要件定義書やサイトマップとしてまとめておくと、後の制作会社との打ち合わせがスムーズになります。
また、将来的な更新体制や運用方法もイメージしておくことで、適切なCMS選びにも役立ちます。
制作会社の選定と見積もり依頼
サイトの要件が固まったら、それを実現できる制作会社を選定します。
Web制作会社や開発会社の中には、企業サイトのCMS構築を得意とするところも多くあります。
インターネットでの検索や知人からの紹介を通じて、実績が豊富で自社の業界・規模に合ったパートナーを探しましょう。
候補が見つかったら、要件をまとめた資料やサイトマップを提示し、見積もりを依頼します。
同時に複数社に相談し、提案内容や概算見積もりを比較することで、適切な制作会社を選びやすくなります。
デザイン制作とCMS構築(テーマ開発)の進行
制作フェーズでは、まずデザイン制作から始まります。ワイヤーフレームをもとに各ページのデザイン案を作成し、確認・修正を経て確定します。
デザイン決定後、それをもとにCMSへの組み込み作業(テーマ開発)に移行しましょう。エンジニアがHTML/CSSコーディングとCMS設定を行い、必要な機能を実装します。
開発中はテストサイトで随時確認を行い、コミュニケーションを取りながら進めていきます。
サイト公開前のテストと最終確認
実装が完了したら、サイト公開前に入念なテストと最終確認を行います。
まず、テスト環境のサイト上で全ページを確認し、レイアウト崩れや表示の不具合がないかをチェックしましょう。
リンク切れがないか、フォームから正常に送信できるかなど、基本的な機能テストも重要です。
また、パソコンだけでなくスマホなど各デバイスで表示を確認し、レスポンシブ対応状況を確認します。
テストで発見した問題点は制作会社にフィードバックし、公開前にすべて修正してもらいましょう。
サイト公開と運用開始
サイト公開時には、ドメインのDNS設定を行い、本番サーバー上でサイトを一般公開します。
リニューアルの場合は旧サイトから新サイトへの切替をアクセスが少ない時間帯に実施しましょう。
公開直後に本番環境でページ表示やフォーム送信など最終確認を行い、問題がなければ運用開始です。
公開後は解析ツールで効果を測定しつつ、定期的な更新と保守を続けていきましょう。
SEO対策はCMSによってどう違う?
WordPressのSEO対策機能とその活用法
WordPressはSEOに強いCMSで、SEO向けの機能が充実しています。
例えばパーマリンクを最適化でき、SEOに有利なURL構造を簡単に設定できます。
また、Yoast SEOなどのプラグインを活用すれば、各ページのタイトルタグやメタディスクリプションの編集、サイトマップ自動送信といった内部SEO対策も簡単です。
さらに、コンテンツを頻繁に更新しやすいため、継続的な情報発信によるSEO効果も得られます。
各ページにて、効果検証しながらメタタイトルやメタディスクリプションを変更できることは、SE0対策を行う上で大きなアドバンテージとなります。
ヘッドレスCMSでSEOを最適化するポイント
ヘッドレスCMSの場合、SEO対策は主にフロントエンド実装に委ねられます。
クライアントサイド描画のみでは検索エンジンがコンテンツを認識しづらいため、SSR(サーバーサイドレンダリング)やSSG(静的サイト生成)の活用が重要です。
また、各ページに適切なタイトルやメタディスクリプションを設定するなど、開発段階でSEO設定を行います。
プラグインによる自動機能がないため、開発者が意識してSEOを最適化する必要があります。
少し専門的な上に、国内にて実装できる制作会社が少ないのも事実です。
その代わり、サイトを高速にしたり、セキュリティ的に強かったりと、メリットも多いです。
弊社でもヘッドレスCMSを積極的に導入していますので、ぜひお気軽におたづねください。
その他主要CMSにおけるSEO対策の留意点
WordPress以外のCMSでもSEOの基本的な考え方は共通です。
どのCMSを利用する場合でも、ページごとのタイトルやメタタグを適切に設定し、コンテンツの質を高めることが重要です。
ただし、CMSごとに設定方法が異なる点には注意が必要です。
例えばDrupalではSEO用のモジュールの追加が必要になるなど、使用するCMSに応じて対策を補完する必要があります。
利用中のCMSの仕様を把握し、漏れなくSEO設定を行いましょう。
CMSサイト運用のポイントと注意点
コンテンツ更新体制と運用フローの整備
サイト公開後は、効果的なコンテンツ更新体制を整えることが重要です。誰がどのようにコンテンツを作成・更新するか役割分担を決め、運用フローを明確にしましょう。
記事作成→校正→承認といった手順を定義し、計画的にコンテンツを公開していく仕組みを作ります。
プラグイン・機能拡張の適切な管理
CMSサイトではプラグインや拡張機能の管理も重要です。
特にWordPressでは、プラグインを必要以上に導入すると速度低下や不具合の原因となりかねません。
機能拡張は本当に必要なものだけに絞り、信頼性の高いプラグインだけを選びましょう。
また、定期的にプラグインの更新情報をチェックして速やかにアップデートを適用します。
不要になったプラグインは無効化・削除し、サイト構成をシンプルに保つことも大切です。
セキュリティ対策と定期メンテナンスの重要性
セキュリティ対策と定期メンテナンスはCMSサイト運用に欠かせません。
CMS本体やプラグイン類を常に最新バージョンに保ち、強固なパスワード設定や定期バックアップを徹底しましょう。
不要なユーザーアカウントの削除やサイトの常時SSL化など、基本的な対策も継続して実施することが大切です。
長期運用で見えてくる課題とその対処法
長くサイトを運用していると、当初想定していなかった課題が見えてくることがあります。
例えば、コンテンツ量が増えてサイト構造が複雑になった場合、ナビゲーションの再編成や検索機能の強化を検討しましょう。
また、公開から数年が経過してデザインや技術が古く感じられるようになれば、リニューアルを行うことも選択肢です。
まとめ
以上、CMSサイト制作のポイントを総合的に解説しました。
オリジナル構築のメリットを活かしつつ、自社に最適なCMSを選定してサイトを構築すれば、中長期的に見ても価値の高いWebサイトを運営できます。
制作費用や依頼フローについて事前に理解しておくことで、プロジェクトをスムーズに進行できるでしょう。
また、どのCMSを選んでもコンテンツSEOやセキュリティ対応、運用体制の整備が重要である点は共通です。
サイト公開後も継続的な改善とメンテナンスを行い、CMSサイトをビジネスの有効な資産として育てていきましょう。
弊社でもオリジナルのCMSを組み込んだブランディングサイトを構築しております。
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